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月間読者1.5億人を抱えるバイラルメディア「BuzzFeed」を徹底解説

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※この記事はBuzzFeedに関する新しい情報を随時Updateしています(最新Update2014年9月16日)

こんにちは、nanapiマーケ室です。

今回はバイラル系メディアの代表格である「バズフィード/Buzz Feed」を紹介していきます。バズフィードは、ニュース・エンタテイメントサイトと位置付けられ、ハフィントンポスト共同創業者ジョナ・ペレッティ氏らが2006年に立ち上げたバイラル系メディアです。

今では、月間1億5000万人のユニークユーザーを抱え、さらには多言語グローバル展開を行っています。

バズフィードは「Listicle/ List+article」(リスト記事)と独特のコンテンツ分類方法(「爆笑」、「かわいい」などの感情ごとに分類)によって人気を拡大しましたが、最近ではピューリッツァー賞を獲得した記者を招き入れるなど、本格的な調査報道にも力を入れています。(上画像の黄色いマークたちが感情ボタンです)

また、google trend上ではメディアの老舗「The New York Times」を抜く検索数が記録されたバズフィード(下図参考)。

さらには、今年末から2015年初めを見込み、日本進出を予定しており、ますます目が離せなくなっています。そこで、今回の記事ではこの新興メディアが持つ特徴を見ていきます。

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(Google Trend検索結果 期間:2004年から 青:buzz feed 赤:NYT)

バズフィードの沿革

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↑ 創業者 ジョナ・ペレッティ
(画像:Joi Ito

バズフィードの創業者は、ハフィントンポストの共同創業者であるジョナ・ペレッティです。なぜ彼はバズフィードを立ち上げようと考えたのでしょうか?

その理由は、「何がアイディアを広めるのか?」という、彼が人生を通して考えてきた問いに答えるためでした。この問いを初めて考えたのは大学院生の時でした。

当時、Nikeはユーザーが希望する単語を靴にプリントするサービスを行っていました。(以下参考画像)当時は靴の側面に1単語分のスペースがあり、その中に好きな単語を入れることが出来ます。

nike id 2
↑ 現在のNIKE ID  名前のプリントは行っていないようです

そこで彼は、「sweatshop」という単語を注文しました。「sweatshop」とは、「搾取工場」という意味を持つ言葉で、これはNikeが1970年代から東南アジアなどの下請け工場で強制労働、低賃金労働などをさせていたことに対する批判から生まれた言葉です。

しかし、Nikeはペレッティの注文を拒否します。これに対しペレッティは追加のメールを送るも、結局Nikeに拒絶されてしまいます。そこで、彼はそれらのメールのやり取りを12人の友達に転送します。その友達もさらに他の友達に広めていき、結果的に何百万もの人々に広がっていきました。

この出来事はThe Wall Street Journalなどに掲載されたため、ペレッティは一躍有名になりました。また同時に、「何がアイディアを広めるのか?」という問いを考えさせるきっかけにもなりました。

mail from nike

(画像:Nikeとペレッティのメールのやり取り

簡単にまとめると、

From Nike,
To Peretti
あなたの注文はキャンセルされました。以下の理由で。
1)あなたの個人IDは、他の当事者の商標またはその他の知的財産が含まれています。
2)あなたの個人IDは、我々が使用する法的権利を持っていない選手やチームの名前が含まれています。
3)あなたの個人IDを空白のままでした。
4)あなたの個人IDは不敬な言葉が含まれています。

From Peretti,
To Nike
私の注文した言葉、「Sweatshop」は上の4つの理由に該当しません。
出来るだけ早く私に届けてくれませんか?

From Nike,
To Peretti
注文はキャンセルされました。
なぜなら、あなたが注文した単語は、不適切な俗語を含んでいるためです。

その後、彼は2005年にKen LererやArianna Huffingtonと共にThe Huffington Postを創業します。このサイト内では、創業者のAriannaなどの執筆者に加えてオバマ大統領やヒラリークリントンなどが寄稿し、それに対して活発な議論がサイト内で交わされています。

そのころ時を同じくして、ペレッティはバイラルコンテンツを実験するプロジェクトを開始します。それがバズフィードの原型です。

最初は小さなチームによってラボとして運営されていました。運営資金を出していた人物は、John JohnsonとKen Lererです。彼は、ペレッティが以前働いていたNPOの創業者でした。そのNPOは、「EYEBEAM」といい、芸術家や科学技術者に住む場所を提供する活動を行っていました。その関係で、ペレッティに対して出資を決めたのではないかと思われます。

ペレッティは最初に、昔彼が勉強を教えていた生徒であるPeggy Wangを雇いました(彼女は今でもバズフィードのシニアーエディター)。次に、彼はハフィントンポストの契約社員達を雇いました。

バズフィードラボが作った最初の製品の一つは、Buzzbotと呼ばれる簡易なメッセージソフトウェアです。これはその日のウェブで最も流行っているリンクをユーザーに送っていました。Buzzbotは何百ものブログからフィードを取り込み、他のサイトに広がっているものを自動で見つけ出していました。

次にバズフィードラボが作ったものは、Buzzbotが見つけ出したリンクを集めたWebサイトです。ペレッティはここで日々のリンクを編集してくれる編集者を雇います。彼曰く、「私たちはBuzzbotを使うことは上手くいった。しかし、Buzzbotを使いながら人間の編集者を置く方がさらに良かった」そうです。最初、この新たなウェブサイトは、1日5,6個のリンクのみを発信していました。半分は、アルゴリズムを使って見つけ出した記事リンク、もう半分はPeggy Wang(1番目の社員)がウェブ上で見つけてきた記事リンクです。

そのころ、ペレッティはまだハフィントンポストでも働いており、2つのオフィスを行き来していました。ただ、その新しいサイトが人気を集めだすまでそう長くはかかりませんでした。ブロガーはネタを探すために、そのサイトを頻繁に利用するようになったのです。

ペレッティは、サイトが月に60万のユニーク訪問者を超えたあたりから追加の資金調達を決めました。

最初は、TwitterやTumblrに投資をしていたことで有名なUnion Square Ventures が投資に興味を示しました。彼らは、創業者であるペレッティには興味を示したのですが、バズフィードが人間の編集者を雇っていることが気に入りませんでした。

そのほかにもいくつか提案してくれた会社があったのですが、最終的には、SoftBank Capitalが投資をすることになりました。なぜなら、SoftBank Capitalが唯一、ペレッティが投資後もハフィントンポストとバズフィードに残ることを認めてくれたからです。その後も、バズフィードが増資をする際は、かならず追加投資を行っています。

ペレッティは、結局2011年までハフィントンポストとバズフィードの両方に勤務していました。「私は二つ平行的に起業を行った。それはとても難しいものだった。」と言っています。幸運にも2011年2月にハフィントンポストはAOLに3億1500万ドルで買収されることが決まりました。

そのタイミングでペレッティは、バズフィードだけに専念することになりました。その時彼は、「ただ一つの会社だけを担当し、そして私の大好きなことである、なぜ人々は物事を共有し、どのようにアイディアは広がっていくのかを解明することに全精力を注げるとは、なんて自由なことなんだ」と言っています。

また、バズフィードは早期から様々な企業と提携を行うことで知名度を高めてきました。ここでは代表的な4つの提携について見ていきます。

1. Google+ との提携

google plus

バズフィードの得意とする記事の1つにgif画像を使った記事があります。

例えば、以下のような記事です。

»10 Funniest cat gifs of the week(今週の最も面白い猫のGIF画像まとめ)

そのgif画像だけを集めたカテゴリーが「GIF Feed」として2013年に誕生しました。スポンサーとしてGoogle+ がついています。佐藤慶一さんの記事によると、

グーグルプラスの月間アクティブユーザーは5.4億人以上で、毎週15億枚もの写真がアップロードされているそうです。その中の機能の一つ「Auto Awesome」ではGIF画像も作成でき、「GIF Feed」の右上には同機能を使ったGIFもコンテンツとして掲載されています。

ちなみにこの提携は現在は解消されている模様です。

2. Whisperとの提携

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Whisperとは、他のユーザーと簡単に匿名で秘密を共有するために作られたサイト、アプリのことです。昨年には月間15億ページビューを達成しています。最近、バズフィードはウィスパーと提携を結んだことを明らかにしました。

提携のもとでは、15人のバズフィードのライターが記事になりそうなネタをウィスパーで探し、ウィスパー側がさらなる関連情報を内部の検索エンジンから探し出します。実際に記事として出来上がったものの中には、「19 Brutally Honest Teacher Confessions(残忍なほど正直な教師達の19の告白)」などがあり、100万以上のページビューを獲得しています。

3. CNNとの提携

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CNNは、アメリカのケーブルテレビ向けニュースメディアの老舗であり、動画の作成のプロです。2013年バズフィードはCNNとの提携を発表し、「CNNBuzzfeed」というCNNのコンテンツに基づくユーチューブ・チャンネルを公開した。同社の最高責任者によると、CNNバズフィード用に週3本の動画を制作するという意向を示しました。

4. NYTとの提携

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(画像:Adam Kinney

ある時、ニューヨークタイムズ紙がバズフィードに対し、大統領選向けての民主党全国大会や共和党全国大会のライブ動画報道で連携したいとの働きかけがあり、実際に両社は手を組み、成功をおさめました。日本で言えばニコニコ動画にて政府の公式発表や選挙などの発表の場として使用されることに似ているものでしょうか。

バズフィードの今

では、バズフィードの現在の状況はどうなのでしょうか?設立8年目の現在、以下の様な状況となっているようです。

  • 月間訪問者数(UU)は約1億5000万人
  • 1か月間でのFBのいいね!が2115万、シェアが1307万、コメントが1641万件(2014年2月時点)
  • 従業員数は、300名以上
  • 2013年には6000万ドルの売り上げ(2014年にはその倍を目指している)
  • 収益はこの1年で2000万ドル(広告モデルについては後述)
  • 会社評価額は現在2億ドル以上
  • 幹部は、3億ドル以下での売却には興味はない
  • 現在までの調達額は4630万ドル
  • 2013年1月に行った前回のラウンドでは、同社は2千万ドルを調達
  • 現在進行中の第5期資金調達ラウンドでは金額が2億ドルに達した、という報道も
  • 今年最初には米ウォルトディズニー社が買収を検討していたが、価格面で折り合いがつかず断念
  • その時の評価額は約10億ドル
  • 流入の50%以上がモバイル機器から
  • 流入の75%がソーシャルメディアから
  • 月間1億回以上のビデオ再生回数

編集方針

次に、バズフィードの編集方針について見ていきます。バズフィードは最初はアグリゲーションメディアとしてスタートしたのですが、その後調査報道など様々な分野の記事を提供しています。以下では、代表的な記事の種類をまとめました。

1. Listicle/ リスト記事(まとめ記事)

バズフィードの最も得意とする記事は、リスト記事と呼ばれるものです。弊社サイトnanapiでもリスト系の記事をよく掲載しているのですが、バズフィードの場合は特にGIFを使ったものが有名です。例えば、以下のような記事「The 20 Best Places To Take A Selfie」(自撮りをするための最適地20カ所まとめ)です。

the 20 best places to take a selfie

2. クイズ記事

クイズ記事(記事を読みながらクイズに答えていくことができる記事)も非常に人気があります。

例えば、「How Well Do You Know “Sex And The City”」(あなたはどのくらい映画「Sex And The City」について知っている?)などは記事の中にクイズが埋め込まれており、この映画を見た人であればついやってしまいたくなる記事です。

sex and the city

3. 調査報道、長文記事

バズフィードは、調査報道や長文記事にも力を入れています。調査報道でいうと、今年のピューリッツァー賞にて調査報道部門を受賞した非営利団体「The Center for Public Integrity」のクリス・ハンビー氏は、バズフィードで現在は働いています。

例えば、以下の記事「Inside The Sexual Assault Civil War At Occidental College」(オクシデンタル大学での性的暴行の真相)などは読みごたえのある本格的な記事です。

また、長文記事でいうとスピン誌の編集者であったSteve Kandell氏や政治メディアポリティコのブロガーBen Smith氏を迎え入れ、「LONGFORM」のカテゴリーも存在します。このコンテンツは読みごたえのある記事が多く存在します。

調査報道を行う背景には、著作権問題に対処したいバズフィードの思惑もあるようです。過去には、著作権所有者に無断で画像を掲載したとされ、9人に訴えを起こされています。調査報道に取り組むことでニュースメディアと認定され、すべての著作権をフリーにしたいと考えたのかもしれません。

4. 動画記事、音声記事

バズフィードでは2013年春より動画についても取り組んでいます。上にも書いたように、米メディア大手CNNと提携し、Youtube チャンネル「CNNBuzzfeed」を開設しています。これまでに登録者数は5万人を超え、約800万回再生を突破する規模にまで広がりました。

また、音声だけのコンテンツ制作にも意欲的に取り組んでいます。Julia Furlanを音声プロデューサーに迎え、制作しています。音声コンテンツは非常に新しい取り組みで、今後どうなっていくかは要注目です。

・音声記事参考
»10 Sounds That Used To Be Mundane And Are Now Terrifying(日常にありふれているけど、音だけで聞くと怖い音10選)

上記のように、画像、動画での記事が多いため、多言語展開が他のニュースサイトに比べて簡単にできるのではないしょうか。
実際、現在では英語に加えて、スペイン語、フランス語、ポルトガル語で展開されています。

収益モデル

バズフィードの収益は、非常に高いことで有名です(2013年度は約6000万ドルの売り上げ)。バズフィードも他のメディアと同じく広告によって収入を得ているのですが、広告の種類が他と異なります。

バズフィードは、バナー広告を行わず、スポンサードコンテンツ(ネイティブ広告)のみを行っています。創業者のペレッティはあるインタビューで、「どうやって人目を引く、魅力的な広告を取り戻せるというんだい?バナー広告でそれはできない。だが、もし記事一本分をまるまる与えられたら可能でしょう。」と述べています。

主な広告主には、GEやVirgin Atlanticなど名だたるグローバル企業が付いています。ここでは、NESTEAの例を紹介したいと思います。NESTEAは、アイスティーで有名な飲料メーカーです。

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下の画像を見ていただければわかるように、記事のタイトルは「14 Refreshing Ideas For First Dates」(初デートのための斬新な14のアイディア)となっており、NESTEAとは直接の関係がありません。

しかし、夏っぽい記事で人々を笑顔にすることで、NESTEAの認知度を高め、ブランドイメージを楽しそうで、すがすがしい感じにしたい、という思惑があるようです。また、画像の右側にはNESTEAのFacebookページやTwitter アカウントへのリンクが貼ってあります。

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このスポンサードコンテンツによるブランドイメージへの貢献度もバズフィードのHPに公開されており(以下画像参考)、それによるとNESTEAを「面白いブランド」として認知した割合は、通常時は7.7%でしたが、ネイティブ広告を見た後は12.0%に増加したとあります(つまり、55.2%の増加率)。

もし、このネイティブ広告がSNS上でシェアされたものであった場合は、さらに増加率が高いとあります(7.6%から19.8%への増加)。

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もともとのサイトへの訪問者数が膨大なこと、ターゲットセグメントがはっきりしていること(テレビをあまり見なくなった若者がユーザーの大部分)、小さなスペースしか使えないバナー広告ではなく記事の形をしたネイティブ広告。これらの要素が組み合わさってバズフィードの高い売り上げにつながっているのでしょう。

最新の動き

約51億円の増資

2014年8月11日に5000万ドルの増資を行いました。出資したのは、Andreessen Horowitz。Andreessen Horowitzは初の画像表示ブラウザMosaicを生み出したマーク・アンドリーセンさんとネットスケープの立役者の1人ベン・ホロウィッツさんが創業したVCです。

同時にAndreessen Horowitzのキャピタリストであるクリス・ディクソン氏を取締役に迎えました。ディクソンさんはeBayに買収されたHunchの共同創業者でもあります。

この資金は、動画部門の立ち上げやInstagramやVineなどソーシャルメディア用のコンテンツ制作、海外進出などに使われる予定です。

ニューヨーク・タイムズによると時価総額は8億5000万ドルとのことです。

4000本以上もの記事を削除

51億円の増資という明るい話題ばかりではありません。最近、buzz feedが4000本以上もの記事を読者に知らせることなく、削除したとして非難されています。

削除された記事は、主に2010年から2011年に作られたものが多いです。また、削除された理由は、現在のbuzz feedの編集基準に合わないからだそうです。buzz feedは近年調査報道に力を注いでおり、そのこととも関係がありそうです。

The Huffington Postの記事によると、これらの記事削除について、編集長のベン・スミスは軽率だったという意味の発言をしています。buzz feedレベルの知名度を持ってしまうと、ちょっとした動きでもかなりのインパクトがあるので注意が必要ですね。

記事の盗用をしていたとされる記者は、解雇されています。

インド版も立ち上げ

2014年8月19日にインド版のバズフィードが立ち上がりました。ホーム画面を見てみればわかるように、インドならではの記事も多数用意されており、しっかりローカライズされているようです。

buzz feed india

buzz feedがゲーム作りにも注力か

現在、バズフィードはサイト内で、ゲームディベロッパーを募集しています。募集要項には、モバイル用とWeb用の両方でインタラクティブなゲームを作る仕事だと説明しています。

どのような形でゲームがバズフィードのサイトに活かされるかはまだわかりませんが、クイズ記事のように読者が参加できるものになるのではないかと思われます。

新社長の就任

バズフィードは、今年8月に新社長、Greg Colemanを迎え入れています。前社長のSteinbergは今年の5月にバズフィードを退社し、daily mailにCEOとして参画しています。

新社長のGregは、アドテックカンパニー、Criteoの社長でした。そのため、デジタル広告にはめっぽう強いです。さらには、以前にはYahooの広告売り上げを6億ドルから60億ドルに成長させた経験もあります。

Yahooを経て、Huffington postに移ってからも、広告の売り上げを増加することに貢献しAOLに3.15億ドルで売却した経験を持ちます。バズフィードでは、社長として売り上げ、アドテクノロジーなど会社の数字全般に責任を持つということです。

新たなキュレーションアプリを画策中

編集長のベン・スミスによると、バズフィードは現在のアプリとは別に、ニュースをキュレーションするアプリを開発中とのこと。いわく以下のように語っています。

NiemanLabの記事によると、ベン・スミスは、

(今ある)バズフィードのアプリをダウンロードしている主な理由は、楽しませてほしいから。ただし同時に、世界で何が起こっており、主な話題は何なのかを知らせてほしい人々もいると我々は考えている。

そこで、我々は非常に強いニュース組織を持っていることを考えると、その利点をいかし、そのような人々のための新しいニュースアプリを立ち上げることにした。

詳細についてはまだまだ決まっていないのですが、注意している点がいくつかあるようです。

例えば、ニュースの伝え方。ベンは、伝統的なニュースの構成がアプリ内で情報を伝えるためにベストだとは考えていません。さらには、通知のやり方にも非常に注意を払っているといいます。

編集スタッフは最終的には6人まで増員する予定で、他メディアのニュースもアプリ内では見ることが出来るようになるとも述べています。

まだまだ改良の余地があるといわれているモバイルのニュースキュレーションアプリ。バズフィードが作るとどうなってしまうのでしょうか。

非常に楽しみですね。

今後の展開

バズフィードは、現在アメリカ、イギリス、オーストラリア、ブラジル、スペイン、フランス、インド版をそれぞれ展開しています。つまり、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語で展開していることになります。

ただし、上で述べてきたように、バズフィードの記事は画像、動画が中心の記事が多いため、翻訳がそこまで難しくありません。実際、スペイン語やポルトガル語のサイトでは、約3割が英語版の翻訳記事、残りの3割がその国独自の記事だそうです。

また、今後進出を考えている地域として、ドイツ、日本、メキシコへの進出を考えているそうです。中でもドイツはすでに事業所の設立も終わっており、2~3か月後にはドイツ語のサイトが立ち上がる見込みです。日本への進出は約半年後を予定しているらしいです。

さらには、上にも書いたように動画の取り組みも強化してきています。「CNNBuzzfeed」に加え、動画の形をとったCMも増えてきています。例えば、ペット用品ピュリナの動画広告は500万回以上の再生回数を記録しています。これからもこういった広告はどんどん増加していくでしょう。

今までバズフィードの特徴をお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

日本進出も控えているいま、注目しておいて損はないメディアだと思います。日本ではまだ、バズフィード規模の新興メディアは誕生していませんが、今後は登場してくる可能性が十分あると思います。その時に、今までバズフィードがとっていた、またこれからとる戦略が役に立つときが来るかもしれません。

採用募集

このようなメディアに興味のある編集者の方もnanapiは募集しております、ご興味のある方はお気軽に以下からご応募ください!

«株式会社nanapi(ナナピ) | 募集要項 コンテンツ企画・編集

※他にも各職種で人材募集中です。

おまけ

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(画像:Seren)

バズフィードは非常にネコの記事が多いです。佐藤慶一さんの記事によると、1年分弱の記事が猫の記事で占められているようです。

2006年の設立以来、ネコに関する記事を22,500本も発信しています。2012年以降では、12,200本です。
バズフィードは月間2〜3000記事を発信している(参照:NewsWhip)ので、年間3万本の記事をアップしているとしましょう。すると、1年弱分のコンテンツがネコの記事ということが分かります。

最後にお勧めのネコに関する記事をいくつか紹介します!!

参考記事

»バズフィードとは? 月間読者1億3000万人を超えるニュースサイトの7つのポイント
»海外ウェブメディアの最前線を進む「バズフィード」が実践する4つのポイント(そして迫り来る新興メディア)
»ピューリッツァー賞受賞記者、栄光引っさげ「バズフィード」に移籍
»バズフィード編集長が語る、未来のジャーナリズムのポイント5つ
»バイラル、動画、ミレニアル世代、調査報道・・・影響力を増す海外新興メディアの視点
»米ニュース界の風雲児「バズフィード」日本上陸へ
»BuzzFeed Unites With an Alumnus of Gawker
»INSIDE BUZZFEED: The Story Of How Jonah Peretti Built The Web’s Most Beloved New Media Brand
»BuzzFeed – the website changing the way the world consumes news
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»CNN and BuzzFeed Partnership to Fuel Fresh Take on News
»BuzzFeed Said to Expect 2014 Sales of Up to $120 Million
»日本進出のソーシャルニュースBuzzFeed、5000万ドル調達 – ITmedia ニュース
»米ニュースサイト「バズフィード」が事業拡大、日本版も年内に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
»BuzzFeed Editor Admits Deleting Posts Wasn’t Such A ‘Well-Thought-Through Process’
»Over 4,000 BuzzFeed Posts Have Completely Disappeared
»BuzzFeed Hires Huffington Post Veteran As Its New President
»BuzzFeed is building a new mobile app just for news — theirs and everyone else’s
※訂正

- 2014年8月8日 16時22分
当初タイトルを「月間読者8500万人を抱えるバイラルメディア「BuzzFeed」を徹底解説」としておりました、「月間読者1.5億人を抱えるバイラルメディア「BuzzFeed」を徹底解説」に修正いたしました。数値のUpdateによるものです。


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